今回で13回目となるPICMET Japan Vision Meetingでは,今後ますます進化していくIoTおよびその周辺技術について「企業がどのようにそれを活用して新たなビジネス価値にできるのか,どのようなビジネスモデルが期待されるか」を中心的なテーマに設定し,参加者の皆様と考えていくことを目的とします.
近年の目覚ましいセンサー技術や情報処理技術の発達は,モノ同士をデジタルにつなげ,多くの製造業はそれを生産現場の効率化を中心に活用することでビジネス価値を高めてきました.しかし今後はこうした流れが,益々幅広い分野に展開され,あらゆるモノや情報がインターネットを通じてつながり,それが我々の生活の質の向上に貢献していくことが期待されます.この意味で,進化するIoT時代は多くの企業あるいは企業家にとってチャンスがあると考えられます.
しかしながら「トースターと何かをつないだところで,(それだけでは)うまいトーストは食べられない」という指摘があるように,顧客の状況に合わせた最適な価値の提案およびその実現に向けたが工夫が求められることは言うまでもありません.加えて,提案した価値に対し効果的に対価を獲得していくための技術活用およびビジネスモデル展開についても,考えていくべき視点として重要な意味を持っています.このような背景のもと,本ミーティングではIoTに関わる実務で活躍されている3名の方々から御講演を戴き,今回のテーマを深めていきたいと思います.
まず始めに,野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部の桑津浩太郎様より,「IoT時代のビジネスモデルを見抜く視点」と題して,IoT活用の最新動向,および経済のインターネット化を進めるブロックチェーンとIoTの関係から見える,これからのビジネスモデルを切り開く視点についてお話を戴きます.
つづいて,株式会社ジェイアイエヌ R&D室/JINS MEME開発統括の井上一鷹様より,「生体情報が生み出す新たなビジネス価値」と題して,モノを通じた人間の生体情報の収集と,得られたデータの分析・活用の取り組みについてお話いただき,新たな顧客価値創造のための考えるべき視点について,お話いただきます.
最後に,新日鉄住金ソリューションズ IOX事業部の井上和佳様より,「ヒトとモノの価値あるデジタル連携:IoXの事業展開」と題して,モノだけでなく人間も状況に応じて高度に連携・協調する「IoX」の概念とその事業展開,そしてビジネスモデル開発上の試行錯誤についてお話をいただきます.
ご参加の皆さんが,それぞれのお仕事,ご研究の立場から議論に参加いただき,半歩先の技術経営として考えていく必要のある視点などについて共有できればと考えております.奮ってご参加のほど宜しくお願い致します.
日時:2017年5月20日(土) 13:00-16:30(セミナー),16:30-18:00(懇親会)
場所:東京大学駒場キャンパス内 ファカルティハウス
IoT時代のビジネスモデルを見抜く視点
野村総合研究所 桑津浩太郎
生体情報が生み出す新たなビジネス価値
株式会社ジェイアイエヌ 井上一鷹
ヒトとモノの価値あるデジタル連携:IoXの事業展開
新日鉄住金ソリューションズ 井上和佳